香を

こうぼくについて

香木とは広義には、樹木より採れる香料全般のことですが、
通常は伽羅・沈香・白檀を指します。

香木の種類

伽羅きゃら

沈香の中でも最上品のものを伽羅と⾔います。香りの⽣成に⻑い年⽉を要す為、⾮常に多様で複層的な香りを持つ。産出量が僅少で、古来よりその価値は⾦に等しいとされてきました。
⽇本の香り⽂化の中⼼素材としてなくてはならないもので、供給が減少の⼀途をたどる現在、「⾺尾蚊⾜」の如く⼤切に扱わねばなりません。香道の主香材です。聞香様式が最適です。

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沈香じんこう

樹⽊内に樹脂が⻑い年⽉をかけて形成、熟成されて良質の香材となります。原⽊⾃体は軽いですが、樹脂が沈着した部分は重く⽔に沈むため沈⽔香と呼ばれています。常温ではあまり香りませんが、加熱すると幽⽞な香りを発します。伽羅と同じく鎮静効果に優れています。

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白檀びゃくだん

幹部の芯材を削り出し、⼗分乾燥させ、⾓割・刻みなどにして使⽤します。仏像などの彫刻、扇⼦、念珠など幅広く利⽤され、匂香や焼香など、調合香の中⼼素材でもあります。
防⾍効果にも優れ、正倉院御物にも添えられました。⽢く爽やかな香りをもち、インド南部産のものが最上品とされ、⽼⼭⽩檀とよばれています。精油としての使⽤も多いです。

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六国五味りっこくごみ

伽羅・沈香の香りは深遠なものであり、「⽇本の香り」の根幹をなすものです。香りは⼀⽊毎に異なるのですが、外観に差異はほとんどありません。そのため、数多くの中から適時、適所に叶う香⽊を⾃在に選び出せるよう、香道における分類として「六国五味(りっこくごみ)」と呼ばれる⽅法が編み出されました。
「六国(りっこく)」とは伽羅(きゃら)・羅国(らこく)・真南蛮(まなばん)・真那賀(まなか)・⼨⾨陀羅(すもんだら)・佐曽羅(さそら)の六種の⼤枠のことで、それらはさらに香りを味に置き換えた「五味(ごみ)」に分けられます。五味とは⽢(かん)・酸(さん)・⾟(しん)・鹹(かん)・苦(く)の五種類の味を指し、この五味が何種含まれるか、組み合わせはどうかを判断します。六国の概念は元々産地を表すとされていましたが、後には香りの性質により、化学的な分類ではなく、体感的⼿法によって伝承されています。

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